こんにちは、タケコです^^
映画「この世界の片隅に」ロングランしてるんですね!
良い良いとは聞いていたけど、ようやく観了しました。
噂に違わぬ素晴らしい映画でしたよ!
特に、いい意味で期待を裏切られたのが方言。
作品中出てくるのは広島弁ですが、岡山出身のタケコは非常に身近な方言です。
というのも広島弁と岡山弁はかなり近い!
絶妙に語尾とか細かいところで違う部分はあるけど、ほとんど一緒!
たぶん違う都道府県出身者がそれぞれの会話を聞いても、どちらかわからんでしょう。
例えるなら大阪弁と兵庫弁くらい近い。(…違う??w)
というわけで今回は、
- 映画「この世界の片隅に」の良さ!レビュー
- 本作を通じて紐解く、広島弁・岡山弁という方言について
これがまるっとわかりますよ!
需要のあるなしは置いといて、さらっとどうぞww
映画「この世界の片隅に」レビュー
日本全国からの“この映画が見たい”という声に支えられ完成した「この世界の片隅に」。
クラウドファンディングで3,374名のサポーターから39,121,920円の制作資金が集まったという話題性もあり、非常に巷で評判になりました。
原作は、こうの史代さんの同名漫画。
片渕須直監督によって劇場アニメーション映画化され、2016年11月12日全国公開されました。
そして私も今回観て、ネットで調べてから初めて知ったんですけど、あまりの人気で今もなおロングラン上映しているというから驚き!!
私は違う方法で観ましたが、知ってたら初見は劇場で観たかった!!
劇場での鑑賞をおススメします!
なぜなら確実に泣くから!!!!
…このへんは熱くなりだすと止まらんので、改めて後述しますw
劇場に行けない人も、もちろんBlu-rayで楽しめますよ♪
なお、今ならAmazonプライムで無料視聴も可能です!
あらすじ
以下、公式サイトより抜粋。
18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。
呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。
隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。
観終えた感想
いわゆる戦争アニメですが、グロテスクな描写はあまりありません。
もちろん意味合いとしては痛々しい内容もありますが、表現は極めて穏やか。
だから劇場で戦争モノを観ることに抵抗がある方でも大丈夫なのではないでしょうか。
私は違う方法で観てしまいましたが、これから観る方には是非劇場の臨場感をおススメします!
なぜなら確実に泣くから!!思い切り泣きたい時は劇場に限る!!!!
画と音楽 テイストの妙
画のテイストが柔らかいことは一見してわかる通り。
この素朴なタッチが程よく見やすく、それなのに内容は戦争という厳しい現実のギャップが、妙に生々しくて心に響きます。
コトリンゴさんの音楽もまた素晴らしく、非常に穏やかでやんわりしてる。
画と同様に、戦争という厳しい現実と包み込まれるようなふんわりとした音楽。
そのギャップが余計に涙を誘うんですよね。。。
演出もさることながら、こういった細部のテイストによって、作中で出てきたあたたかいシーンに自然と思いを馳せることができる。
そして現実の残酷さに打ちのめされ、辛すぎる思いを我がことのように感じる。
それでもけなげな主人公すずさんや、取り巻く周囲の人々の生きる強さに感銘を受ける…
そんな泣くための循環がこの作品にはあります。
何度でも観たくなる、テイストの妙だと思います。
すべてを語らないからこそのリアル
戦争モノって当事者感が強い作品が多いと思いますが、こちらはちょっと違う。
当事者なんだけど、あくまで一般人の当事者。
つまり戦争という人の人生をも変えてしまう一大事が起こっているけど、あまりにも遠くで自分の知らないところでどんどん進んでいく。
徐々に物資が足りなくなっていったり、空襲が頻繁になっていったり、生活における変化はあるものの、今どういう状況で日本がどうなってるのかなんてわからない。知る由もない。
なので割と呑気に過ごしちゃったりしてる。
そのうちに災いが降りかかって、“他人事”が“我が事”になっていく。
実際の普通の人って、きっとこういう感覚。
それは今の時代でも通ずる感覚だと思います。
情報を得る手段のないこの時代はなおさら。
このすべてを見せない演出が、妙にリアルで、それ故に生々しさも生む。
何が起こっているの?今どうなってるの?ということを主人公たちに見せないくせに、しっかり日付のカウントダウンだけしちゃうもんだから、観る者にとっては余計に緊迫感があって怖い。
適切かどうかわかりませんが、タケコの印象。
言うなれば、「最終兵器彼女」的な“蚊帳の外感”が程よくある感じです。
でも「最終兵器彼女」と違うところは、観る者が結末を知っているところ。
戦争で日本がどうなったかわかっているからこそ、何も知らない主人公たちを見て怖さを感じざるを得ません。
おススメしたいポイント:方言の再現性の高さ
実は予想以上だったのが、声優たち(主にのんさん)の方言の再現性の高さ。
正直こういう映画でタレントや女優が声を担当しているのって、ハナからあまり期待していません。
原作が好きだったり、内容や演出がよければなおさら。
大体、演技のせいで残念な作品に成り下がってしまうことが多いように感じています。
これはタケコが生粋のアニメ好きで、本業の声優たちの力量を常に感じているからかもしれませんが。
…と思いながら観たら、違った。
予想を上回る、絶妙なイントネーションまで本格的…!!
演技するのは当たり前と言われるかもしれませんが、その地方出身者が通常使ってる方言を再現するのって極めて難しいと思います。
それが本作では上手くなされております!
これは地元民が観ても違和感なく溶け込みますよ!!
「のんさんって広島出身?」って普通に思いましたもんw
言い過ぎるとハードル上がっちゃいそうなので、まずは期待しない心持ちで観てみてくださいw
地元民が認める、作中の方言とは?
単語や言葉尻だけじゃない。それだけなら誰でも簡単に真似れる。
もっと地域特有の、その地に根付いたイントネーションまでちゃんと広島弁。
しかものんさんは兵庫出身というから、また驚き!
関西弁と広島弁って、かなりイントネーションやアクセントに違いがある。
演技の中で特有のイントネーションをこれほど自然に出すには、相当馴染むような努力をされたんじゃないでしょうか…!
これは正直、中国地方出身者として認めざるを得ないw ←
そもそも広島弁について
本作は広島を舞台としているので広島弁ですが、広島弁と岡山弁って非常に近い。
なので岡山出身のタケコとしては、作中の方言が素晴らしく感じました。
タケコの出会ってきた経験上、四国・山口は若干関西寄りな部分なあるのに対し、なぜか広島と岡山はこの2つだけが似ているだけであって、他にはない独自性の強い方言。
広島弁と岡山弁も細部に違いはおそらくあるんでしょうけど、語尾がちょっと違うくらい。
ざっくり言うと、このくらい近い。
【広島弁】
これが広島弁じゃけえねぇ。
【岡山弁】
これが岡山弁じぇけえなぁ。
個人的印象としては、広島弁の方が語尾の“ね”の影響か、少しやわらかい印象。
対して岡山弁は結構ぶっきらぼうで乱暴な感じww
(岡山県出身なのであくまで岡山びいきですけど、あえて苦言を呈すw)
のんさんの方言例
わかりやすいのは、予告でも出ている「ありがとう」という言葉。
単純・シンプルかつ頻出な挨拶の何てことない言葉ですが、実は特有のイントネーションがあるんです!
標準語 | ありがとう(→) ※平板 |
---|---|
関西弁 | ありがとう(→↑) |
広島弁・岡山弁 | ありがとう(↑↓) |
太字はアクセントを置く場所。
関西弁は“とう”まで平板(→)語尾で上がり(↑)、アクセントもお尻。
一方、広島・岡山は真ん中の“が”まで上がって(↑)“が”にアクセントを置き、下がっていく(↓)。
関西出身ののんさんにとっては馴染みのないイントネーションであることは間違いありません。
その証拠に、関西の大学に通っていたタケコは入学当初「発音おかしいwwww」と散々言われ、“岡山”とまであだ名がつく始末…
(イジメじゃないですよ!絶対イジメなんかじゃないんだからっ…!!)
これを知って予告を観てもらうと、また感じ方が変わりませんか?w
まとめ
内容もさることながら、演出も素晴らしく、声優も期待以上に秀逸(←失礼)な「この世界の片隅に」。
本当に100年先にも伝えたい良作です。
日本人なら一度は観て、知っておくべき映画なのかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!^^
少しでも参考になればうれしいです^^
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